上司や同僚と信頼関係を築くためのコミュニケーションスキル3選をご紹介します。私はメガバンク勤務時代に、出世街道まっしぐらの精鋭が集まる支店で、新入社員時代を過ごしました。上司からも同僚からも後輩からも取引先からも信頼が厚い精鋭たちが、全員共通して行っていたコミュニケーション術をご紹介します。私はこの三つを実践し、最短昇格を果たしました。
結論から話す!結論はシンプルに!
人は相手の言いたいことを予測しながら話す生き物です。この「予測」を「メンタルモデル」と呼びます。この人間の習性を利用して、「まず何が言いたいか」を相手に伝えることで、相手のその後の話の理解度が格段に変わり、会話の生産性があがります。
けど、結論から話すっていうあれでしょ?常識だよ!
とおっしゃる方も多いかもしれませんが、意外とこの「結論」は奥深いです。「結論から申し上げますと…」というんですが、結局自分の言いたいことが重なり、1分以上話した後に、「結局何がいいたいの?」と上司に言われてしまった…誰しも一度は経験あるのではないでしょうか?
そこでもう一つ重要な要素が「シンプルに」です。
どういうことか、例をもとにコツをご紹介します。
会話は大きくわけて以下二つ、
- 相手からの質問に答える場合
- 自分から相談する場合
- 自分から依頼する場合
上記2つのシチューエーションで見てみましょう。
相手からの質問に答える場合 悪い例 | 良い例
上司からの質問ランキング1位、「あの頼んでた件終わった?」。
恐ろしい言葉ですよね笑、なぜならこれを質問される時点で
=報告ができていない
=進捗悪い
このケースが多いからです笑 上司も半分それを分かって聞いています。
この回答一つで、あなたの誠実さが実は問われます。悪い例と良い例がこちらです。
その件なんですが、~がネックで~部に確認をとっており、現在返事待ちの状況です。
その件、終わっておりません。申し訳ございません。実は~がネックで~部に確認をとっており、現在返事待ちの状況です。~に確認できますので、~ごろ完了予定です。ご報告できておらず申し訳ありません。
ポイントはまず、「終わったかどうか」という質問に対してシンプルに答えることです。
その後で状況を述べ、理由を述べ、じゃあいつを目処に終わるのかまでしっかり伝えましょう。
自分から相談する場合 悪い例 | 良い例
次は自分から相談するシチューエーションです。早速、悪い例、良い例を見ていきましょう。
~部長、~の作業の件、~まで終わっているのですが、~で悩んでおりまして…
~部長、~の作業の方向性の件でご相談があります。お時間5分ほどよろしいですか?現在のステータスは~で…
ここでも「相談」なのか「共有」なのか最初にはっきりシンプルに伝えましょう。「相談」と最初に伝えられた側は、その後の相談に対するアウトプットの準備を始めるので、相手の話をより真剣に聞くようになります。そうなったらこちらの勝ちです。また、所要時間を伝えるのも重要です。重い話なのか軽い話なのか分かりますし、相手も当然予定があるので、その相談を今受けるかどうかの判断もつきやすいです。
自分から依頼する場合
それでは、取引先A社に提案する資料を作成した部下が上司に資料の確認をお願いするケースをもとに、悪い例、良い例をご紹介します。
資料のリンクを送りました。迷っている点がいくつかあり、こことここで…
資料のリンクを送ったので、ご確認をお願いします。まだ現在作成中のステータスですが、資料の方向性をすり合わせ、大きなずれを回避したいです。もし内容がよければ承認をお願いします。
依頼する際の「結論」は「相手にしてほしいアクションプラン」です。ここは一番お伝えしたいポイントです。質問されているのか、相談されているのか、確認をお願いされているのか、それによって相手の聞く姿勢も変わります。銀行員時代のできる上司は皆、アクションプランをシンプルに伝えるということが徹底されていました。以上、ご紹介したい3つのシチューエーションを意識して、職場でのコミュニケーションの円滑化を図りましょう。
雲雨傘提案
取引先や上司に提案する際に使える手法です。
事実・解釈・アクション、この3要素に切り分けて伝えよう!という考え方です。ビジネスではよく使われる言葉ですね。
つまり、
- 事実:曇ってきた
- 解釈:雨がふりそうだな~
- アクション:傘を持っていく
曇ってきたという事実に、自分の解釈「雨がふりそうだな」を乗せて、アクションを起こす。この型を提案に落とし込む方法を「雲雨傘提案」といいます。
伝える順番は、以下の通りです。
- アクション:傘を持っていきましょう。
- 事実:空が曇ってきました。
- 解釈:雨が降りそうだからです。
アクションを最初に伝える、ん?どこかで見たなあ…
そうです!「①結論から話す」の「自分から提案する場合」と同じです!
そして、コミュニケーションスキルからは脱線しますが、元上司が口が揃えて言っていたのが、この「解釈」の部分が周りと差をつけれる部分、つまりビジネスの醍醐味だということです。多くの人は事実と解釈がイコールになっているケースが多く、結果提示するアクションプランが似たり寄ったり…それでは周りと差がつきません。
例えば、曇ってきた事実=雨が降りそうが一緒になっていると、傘を持つという提案にしかつながりませんが、今日は気温が低いから雪が降るのでは?では長靴を準備しよう。と、事実を多角的に考え、解釈を広げれば皆と一味違う提案ができるということです。
私もこの事実と解釈の切り離しを意識した結果、「ありきたりな提案A」と「面白い提案B」を自ら仮説立てて作れるようになり、Bがいかに面白い提案か、自信をもって上司や取引先に提案できるようになりました。
ワントークワンアクション
no music,no lifeみたいですが、どういうことといいますと、「一言のアクションプランだけを覚えてもらうように話す」というテクニックです。ではなぜ一言か、人間は話を聞いて、長時間覚えらえるのは実は一言が限界だからです。どんなに優秀な人でも脳のメカニズムは共通しています。そして次のアクションプランを実践してみて下さい。
短時間に7語以内の情報を何度もいれる
具体的にいうと、数字および単語は一度の会話の中で、7個以内にとどめましょう。ということです。
これは人間の短期記憶のキャパが関連しています。人間が短期で覚えられる単語は7個̟±2個といわれています。この7個を何度も刷り込むことで相手の長期記憶に刷り込まれます。そして勝手に連想が始まり、その後の会話がスムーズにいきます。
私は現在、家族と共に経営に携わっていますが、恒例の両親と話す際は本当に伝えたい単語を5語以内に!と心掛けています。そのせいか、ディテールは忘れてもすべきことは覚えてくれて、大きな事故が起きることはありません。皆さんも是非ワントーク、ワンアクションを心掛けてみてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は精鋭たちが実践しているコミュニケーションスキルを3つに絞ってご紹介しました。良質なコミュニケーションは信頼関係構築につながり、あ、こいつに仕事を任せてみよう!こいつと話すとわかりやすいから色々きいてやろう!と上司に思わせることができたら、こちらの勝ちです。是非今回ご紹介したスキルを日常会話から意識してみてください。